福音館書店の岡本大輔先生にご講演いただきました。岡本先生は福音館書店の絵本研究室に所属されています。岡本先生のお話より絵本のポイントをいくつか紹介します。

1 読み聞かせについて

「絵本のどこを見ている?」・・・絵本を読むとき、大人は字を読みます。子どもはどこを見ているのでしょうか?そうです、絵です。絵を見て、さらに頭の中にイメージ(想像)して楽しんでいます。では、字を読めるようになってきた子どもが絵本を読むとどうなるでしょうか?子どもは同時に2つのことができません。字を読む意識が強まり、絵を想像して楽しむことができなくなります。だからこそ、幼稚園の間は親が読み聞かせをしてあげてください。

「絵本の中にあるものって?」・・・言葉は子どもが勝手に身につけるものです。それゆえ、暮らしている環境で身につく言葉が決まります。恐ろしいことに、テレビがずっとついている中で育てられると、人間の声を「音」と思ってしまうそうです。一方的に流れ続ける音に慣れ、自分を呼ぶ声にも反応できないそう。では、どんな環境がいいのでしょうか?それは、人と人とがやりとりをしている生きた言葉から身につけられる環境です。さらに、絵本には普段使わない言葉や知らない世界があります。だからこそ、一日一回は読み聞かせをしてください。

「読み聞かせのコツ」・・・①うまく読もうとせず、普通に読む。 ②表紙から読み始め、裏表紙まで見せる。 ③読み終わってから、子どもに質問や感想はきかない。 ④「もう一回!」には必ずつきあう。何回でも、何日続いても読む。

2 絵本の見分け方について

「ぐりとぐらの背景ってシンプルなのはどうして?」・・・絵本はイメージして楽しむものと書きました。さらに子どもは、イメージした後でクリエイティブ(創造)します。そのために必要な背景を考えると、シンプルな理由が見えてきます。ぐりとぐらのキッチンが自分の家と重なってもいいし、ぐりとぐらの季節が春夏秋冬いつであってもいいのです。本屋の絵本コーナーは新刊であふれています。きれいでかわいい絵本を手に取る前に、想像と創造ができる絵本かどうか考えてみてください。

最後に、知識は頭に入りますが、言葉は心に残ります。どうぞ子どもの心にたくさんの言葉をのこしてあげてください。それができるのが、今のこの時期なのです。